(SQL)カラムの内容にキーワードが前方一致するレコードを抽出する
作成日時:2024-03-30
更新日時:2024-03-30
概要
カラムの内容にキーワードが前方一致するレコードを抽出するSQLについて考える。
「カラムの内容 が キーワード に 前方一致」ではない。
「カラムの内容 に キーワード が 前方一致」である。
自分で言っていてよく分からなくなってきた。
前者をSQLで表すと下記のとおりである。
SELECT * FROM tbl WHERE col LIKE CONCAT(input, '%');
後者をSQLで表すと下記のとおりである。
SELECT * FROM tbl WHERE input LIKE CONCAT(col , '%');
後者において、下記のテーブルの場合、inputが「123ABC」ならば、No.1からNo.3までのレコードが抽出される。
no | id | something |
---|---|---|
1 | 1 | a |
2 | 12 | b |
3 | 123 | c |
4 | 1234 | d |
表題に関し、どういったクエリを投げるべきか、実際に動かして考えてみる。
環境と前提
環境
- Windows 10 64bit
- PostgreSQL 16.2.1
前提
- 上記構成のテーブルを準備
- テーブル名は「tbl」、カラム「no」をPKとする
- レコードは10万件登録
- idは1から100,000の連番とし、B-treeインデックスを付与する
- キーワードは「123ABC」とする
CREATE TABLE tbl (
no INT,
id VARCHAR,
something INT,
PRIMARY KEY(no)
);
CREATE INDEX ON tbl(id);
INSERT INTO tbl (no,id,something)
SELECT
i, i, i
FROM
generate_series(1,100000) as i
;
方法1
単純にカラムに’%‘を付与してLIKE検索。
SELECT * FROM tbl WHERE '123ABC' LIKE CONCAT(id , '%');
Seq Scan on tbl b (cost=0.00..2041.00 rows=500 width=13) Filter: ('123ABC'::text ~~ concat(id, '%'))
フルスキャン。
方法2
キーワードを先頭N文字ごとに切り取った列を作成。
その後、JOIN。
WITH keywords(keyword) AS (
VALUES
-- substringでも可
('1'),
('12'),
('123'),
('123A'),
('123AB'),
('123ABC')
)
SELECT
tbl.*
FROM
keywords
INNER JOIN tbl
ON keywords.keyword = tbl.id
Nested Loop (cost=0.42..50.74 rows=6 width=13)
+-Values Scan on "*VALUES*" (cost=0.00..0.08 rows=6 width=32)
+-Index Scan using tbl_id_idx on tbl b (cost=0.42..8.44 rows=1 width=13) Index Cond: ((id)::text = "*VALUES*".column1)
インデックスが使われる。
雑多な感想
全文インデックスを貼る手もあるが、この為だけにインデックスの容量を増大させたり、対象テーブルの登録/更新/削除のコストを高めるというのか。
しかし、こういう使い方をするテーブルはおそらくマスタ系で更新も少ないだろうし、件数も少ないことが予想される。
なので方法1でもコスト的に問題ないと思われる。件数が少ないならばB木インデックスも不要(使用されない)。
状況と場合によっては方法1でもインデックスが使用されるし、方法2でもインデックスが使われない場合もある。実運用での想定データを登録したうえで、実行計画を取ることが大事。
そもそも「先頭N文字がXだったら~」という判断をすることを強制するテーブル設計がおかしい。
1つのカラムに複数の意味を持たせてはいけない。
個人的な結論
レコード数が少ないならば方法1。インデックスも不要。
レコード数が多いならば方法2。対象カラムにB木インデックスを貼る。