ドキュメントライティング 3 結論を先に述べる
作成日時:2025-08-11
更新日時:2025-08-14
結論を先に述べる。
もっとも簡単で、もっとも効果がある手法である。
3.1 結論を先に述べる効能
結論を先に述べる効能は、以下の2つがある。
- 文章の意図と概要を最初に伝達できる(コンテキストの提示)
- 文章の流れを推測容易にできる
3.1.1 文章の意図と概要を最初に伝達できる
最後まで読まないと意図が分からない文章は、認知負荷を発生させる。
なぜならば、「文章の意図を推測する」という無駄な作業を、読み手に強要するためである。
また、高確率で読み返しが必要となる。
意図が判明した後で、読んでる最中の思考が正しかったかを検証するため。
意図を捉え違えて読んでいた場合に、思考を修正するためである。
先に結論を述べたならば、これらは発生しない。
3.1.2 文章の流れを推測容易にできる
流れが推測できる文章は、認知負荷が低い。
なぜならば、未知の情報を読むより既知の情報を読むほうが楽なためである。
文章の読解に割り振るリソースが少なくて済む。
例えば「DBに関して」と先に書いておけば、読み手は脳内メモリーにDBに関する情報をロードしてから文書を読んでくれる。
その状態で文章を読めば推測が容易になり、認知負荷を低減できる。
3.2 結論とは何か
「結論を先に述べる」と書いたが、何を述べればいいのか。
読み手に一番伝えたい情報、または読み手が一番欲している情報である。
3.2.1 読み手に一番伝えたい情報
書き手が伝えたい内容のコアの部分、または概要を伝えなければならない。
読み手に「まず、何なのか」「だから、何なのか」と思わせてはならない。
3.2.2 読み手が一番欲している情報
読み手に合った結論を提示しなければならない。
読みやすく意図が明確な結論だったとしても、読み手のニーズを満たしていなければ価値が無い。
例えばシステム障害が発生したとする。
報告する際に最初に述べるべき結論は何か。
「XXXモジュールでXXXエラーが出ていて、XXXが発生していた」か。
「影響範囲はXXXで被害はXXX、修正日数はXXX日」か。
前者は修正担当者か、PL向け。
後者はPMや外部のステークホルダー向けである。
最適な結論の内容は読み手に依存する。
故に読み手が何を欲しているかを考える。
圧倒的読み手意識が必要である。
3.3 結論を先に述べる技法
ドキュメントライティングの技法においても、「結論を先に述べるという」概念が存在する。
なお、ここでは概要のみを記載している。
先人たちが、結論を先に書く重要性を体系的に証明している。
3.3.1 パラグラフ・ライティング
段落を意識した文章記述法。
1つの段落は下記の3つの要素で構成されている。
記述順序も下記のとおりである。
- トピック・センテンス
- サブ・センテンス、またはサポート・センテンス
- コンクルーディング・センテンス
トピック・センテンスは、その段落における主題(結論)を述べる。
サブ・センテンスは主題の理由や根拠を述べる。
コンクルーディング・センテンスは段落の「まとめ」を述べる。
結論を先に述べて、その段落における意図や概要を読み手に伝えている。
3.3.2 ピラミッド原則
論点をピラミッド状に構造化する。
結論を最初に提示し、その根拠鵜を階層的に記述していく。
この文書自体もピラミッド原則を意識している。
3 結論を先に述べる
3.1 結論を先に述べる効能
3.1.1 文章の意図と概要を最初に伝達できる
3.1.2 文章の流れを推測容易にできる
(以下略)
下位の構造が、上位の構造の根拠を記述している。
上位の構造において、そのセクションにおける結論が述べられている。
兄弟要素はB+木のように順番が存在する。
前の要素をもとに論述していく。
3.3.3 PREP / SDS / CRF フレームワーク
文章を記述する順番を、それぞれの頭文字で並べたもの。
すべてに共通しているのは、結論を先に述べている。
PREP
- Point (結論)
- Reason (理由)
- Example (例)
- Point (結論)
SDS
- Summary (要点)
- Detail (詳細)
- Summary (要点)
CRF
- Conclusion (結論)
- Reason (理由)
- Fact (事実)
例(PREP)
1. 結論(Point)
- これを◯◯した方がよい。
2. 理由(Reason)
- 何故ならば◯◯だからだ。
3. 例(Example)
- 例えば◯◯ということが起こりうる。
4. 主張(Point)
- だからこれを◯◯した方がよい。
3.3.4 アンチ・クライマックス法
心理学の領域。
最初に結論や重要な情報を提示し、その後に詳細を説明する手法。
この文書で記載しているような効果が得られる。
3.3.5 チャット/メール
私は自分から開始するチャットの場合、必ず先頭に隅付き括弧で概要を記載する。
これも他の技法と同じく、認知負荷を下げる作用がある。
【〇〇に関して】
XXXのXXXが~(省略)