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ドキュメントライティング再考

作成日時:2025-12-01
更新日時:2025-12-01

メモ。

認知言語学と認知心理学の入門書を読んだ

今まで「文章は情報が欠落した曖昧なもの」と思っていたが、そもそも「言語そのもの」が曖昧だった。
結局は、人間それぞれが独自のモデルで情報を解釈するのだから、“完全なる”意思疎通は難しい。
LLMでさえも。LLMの回答も人間のモデル次第。

ウィトゲンシュタイン的に、判断の一致、大まかな合意には至れるけれども、その一致が”正しい”と誰が保証してくれるのか。
生活形式が異なるならば、1から10まで説明しなければならないのでは。

と思ったので、自身の持つドキュメントライティングに関するモデルを更新した。
既存のモデルからさらに抽象度を上げ、下記の3つが重要であるとした。

推測容易性

人間は自身のモデルを元に”推測しながら”物事を認知している。
会話も単語を聞き終わる前に推測している。

推測が困難な文章は認知負荷が上がる。

推測が容易でも、コンテキストの伝達が不十分なら、読み手のモデルで解釈されてしまう。
故にローコンテキストな文章を書く。

ローコンテキスト

曖昧性をなるべく減らす。

圧倒的読み手意識。
相手のレベルに合わせた平易な語句で。

全てを明確にする。
“それ”が”何か”が明確なほうが理解しやすい。

ローコンテキストでも文法が滅茶苦茶ならば意味が通じない。
故に正しい文法で文章を書く。

文法

(省略)

さらなる抽象化

圧倒的読み手意識とプラグマティズムに帰結するか?
「本当に読み手が理解してくれるか?」をひたすらに追求する。
そして”本当に”という曖昧な言葉は何を示すのか。

分からなくなってきた

言葉が通じるって何?
完全な曖昧性の排除やローコンテキストの徹底は無理だよ。
各個人の認知モデルで解釈されるんだからさ。

最適解を考えて、それを目指すしかない。
“いい感じに”明確に、“いい感じに”コンテキストを伝える。

プラグマティズム

“最善”を追求し続けるしかない。
言葉は曖昧だから。

メモ

二重貯蔵モデル

最初に何の話をするかを伝えておけば、LTSからSTSに「それ」に関する情報がロードされる。
STSに情報があればオーバーヘッドが無い→認知負荷は減る。