X(Twitter) Zenn GitHub RSS 共有

プラグマティズム

作成日時:2025-01-02
更新日時:2025-01-02

(デカルト的な)絶対的な真理を否定する。
真理とは絶対的でも相対的でもなく、常に変化するものである。
真理はコミュニティや社会の中での検証や合意形成・相互作用によって形成される。(ローティの自文化主義・連帯)
異なる文化や時代では異なる真理が有効である。
真理は実践的な有用性(経験)や社会的な合意によって定義される。

真理の正当性はその文化で実践的に機能しているかによって判断される。
機能していないならば、別の真理に更新される。

プラグマティズムは「何でもあり・個人ごと」の相対主義でもなく、絶対的真理を主張する普遍主義でもない。
実践的な有効性という基準を持ちながら、その基準自体も社会や時代とともに変化する。
ビジネス書に書いてある「価値こそ全て」はプラグマティズムを表面的に理解したに過ぎない。

個人がプラグマティズムの観点で、現時点における真理を作り上げるためにはどうすればよいか。
常に周囲の最新情報を取得し、常に考えることで真理をテーラリングしていく。

真理は価値と言いえる。

プラグマティズムはスクラムにおける「価値の追求」に通じるところがある。
圧倒的当事者意識⇒顧客視点での価値の考察。

イギリス経験論と功利主義からの発展。

経験を重視し、真理は実践的な有効性そのもの。
問題解決や成長のプロセスそのものを重視。

各思想家のプラグマティズム

ジェイムズ

「真理とは、それを信じることが有益である観念である」

ジェイムズ「“きわめて端的に言えば”真理とは思考における実用性」
これは「主観的/相対的だ」という批判を食らう。
「自分にとって価値あるものが真理」という誤解を生む。
では、この”実用性/価値”とは、どこにおける何なのか。

デューイとローティ的に言えば「社会における実用性」。
なので「主観的/相対的だ」という批判は違う。

パース

反デカルトと多元的真理。
探求の共同体における真理探究の方法論としてのプラグマティズム。

プラグマティックな態度

哲学者ではない一般人が、実生活においてプラグマティズムを実践することを、下記の様に定義してみる。

“最善(実用性/価値/真理)“を考え行動する。
“最善”の定義は経験や社会的文脈を通じて、都度更新していく。
価値を追い求める。

ある物事が自身、または社会において価値があるかどうかを考えるのがプラグマティズムと言えるかもしれない。
価値を重視し、価値を最大限高めるような思想を持つ。

こうなると「じゃあ善って何だ」という問いが発生する。
⇒功利主義、倫理学
個人的には功利主義や公共の福祉的考えでいいと思う。
社会が幸福ならば、その社会に属する自分自身もたぶん幸福になるでしょ、という考えで。

プラグマティズムによるメンタルヘルスの改善

何かつらいことがあって悩んだとする。
しかし、悩むことそのものには価値が無い。
ただメンタルヘルスが悪化するだけである。
自身にも、周囲にも価値が無い。

だから、悩むのをやめる。
代わりにそのつらいことに対して、どういう行動を起こせば改善されるかに関して考える。
その方が価値はあるし、事態が好転しうる。

悩むのではなく思考をする。

経営理念とプラグマティズム

つまり、プラグマティズム的に考えれば

  1. 「どうすれば自社に価値を提供できるか。これは自社にとって価値はあるか。」という価値を考える「マインドの形成」
  2. 価値を正しく機能させられる体制づくり(プラクティス/原則/価値)の提供⇒価値観の学習

が自社には必要か。
もっと簡単に言えば、価値観の共有と、その「場」の提供

個人的には2が重要だと思う。
1は2で形成されると思うため。

こういう事がしたいです(原理・価値)
その為に、こういう事をします(プラクティス)
なぜプラクティスが価値に紐づくかというと、こういう理由です(原則)

この過程を経て、自身の作業はとある価値を目標とし、それはこういう原則のもと行っている。と理解する。
そうすれば、自身の作業が価値に結び付くかどうかを意識できるようになる可能性がある(マインドの形成)
価値を考え、自分で行動する組織となる。

自分の考えた価値が正しいかどうかは、2や周囲との相互作用により判断/修正される。

プラグマティズムと倫理

⇒功利主義。

一個人の思想としては功利主義を踏まえて、プラグマティズムを使用するとよい。
つまり、「この行動/考え/アイディアは”自身の属する集団”および自身に対して価値があるか」

プラグマティズムと論理学

⇒クワイン、ウィトゲンシュタイン

プラグマティズムと分析哲学

リンク

参考文献

プラグマティズム入門